ある子供 [映画[2006]]
出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、ファブリツィオ・ロンジョーネ他
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
原題:L’Enfant 2005年 ベルギー・フランス
20歳のブリュノと18歳のソニアのカップルと、彼らを取り巻く様々な人たち(主に悪い人たち)の物語。
2人はソニアのアパートで暮らしていた。
ソニアが出産を終えてアパートに帰ると、そこには見知らぬカップルが暮らしていた。ブリュノがお金のために又貸しをしたのだ。自分の家だというのに追い出されたソニアは、乳飲み子を抱えて行き場を失う。なんとかブリュノと連絡をとろうと携帯に連絡するも、なかなか彼を捕まえることができない。
その頃ブリュノは、手下のガキを連れて窃盗の真っ最中。盗品は闇取引き専門の相手を通して売りさばいてるが、どうにも足元を見られてるようだ。
更に手下のガキにもいいようにあしらわれてるブリュノ。
そんな中、ブリュノは闇取引きの相手から、『お金を出して子供を欲しがるヤツもいる』ということを告げられる。
ソニアはとにかくブリュノを連れて役所に行き、子供を認知する書類にサインさせる。晴れて子供の父となったブリュノだが、彼には父親という自覚は皆無だった。
ソニアはどうにかブリュノにまともな職に就いてもらいたいと思ったが、彼はちっとも真剣に考えようとしない。
とりあえず失業保険をもらいに行くも、役所にできた長蛇の列に辟易して、赤ん坊を連れて散歩にでてしまう。
そんな時、ふと闇取引きの相手の言った言葉を思い出すブリュノ。早速電話して尋ねると、取引の方法を指示される。深く考えるまでもなく、ブリュノは取引に応じてしまう。
取引はとんとん拍子に進んで、生まれたばかりの赤ん坊と現金との交換が成立する。
彼は待ちくたびれてるソニアの元へ、空っぽのベビーカーと現ナマを抱え意気揚々と戻って行った。
そして彼はソニアに、『子供ならまた作ればいいさ』と。
それを聞いたソニアは、卒倒してしまう・・・・・
ブリュノに父性がないとか、ただ単にそういうことだけじゃないと思います。病巣はもっと深いと思う。
確かに妊娠も出産も女性側の仕事だし、男性にとっては自分の子供という実感というのは感じにくいことなのかもしれませんが、男女の違いだけでどうのこうの・・・じゃなくって、社会の中の色々なことが要因となってるんですよね。
彼らを取り巻く環境が劣悪すぎ。
子供を盗品の売買のように気軽に売ってしまったブリュノには、沢山のものが欠けてるんですよね。
ソニアは愛するブリュノとの間に生まれた子供を、まさしく愛の結晶とみて愛おしんだのでしょうが、ブリュノはイマイチ「実行→結果(結実)」という事がわかってなかったのではないでしょうかね??
今現在の日本では、ここまで酷いことは起きそうにもないですが、でも知らない世界というのは存在しますからねぇ。どうなんだろう?
でも、若いカップルといったからって、即育児放棄とか幼児虐待に結びつくってものでもないでしょうし、その決め付けは危険ですよね。その容易な決め付けが、更に彼らの居場所を狭めてる。
この作品中でも、ソニアには若さを補うくらいの愛情があるし、ブリュノも子供が憎くってとか嫌いだから、という感じではなかったので、きっと自覚さえ持てれば巧くいくと思うんですよ。
とにかく、遠そうで案外身近かもしれない話題を扱った作品です。
大人になれないのに、大人になってしまった人たちのお話しです。
公式HP--→ http://www.bitters.co.jp/kodomo/
これ、ずっと気になってたんですが、先日ツタヤで見かけました。
でも、なかなか観る勇気が出ないんですよね~~。
by うるる (2006-06-28 12:36)
うるるさん、こちらにもありがとうございます。
う゛っ・・・もう既にDVD出てましたか~~。ありゃりゃ・・・(笑)
この作品は好き・嫌いが分かれそうな作品かも~。こうゆう人たちのこと許せないって思っちゃうかもしれないしね~。ほんと、勇気が必要かもしれないです。
by まみりん (2006-06-28 21:46)