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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 [映画[2006]]

出演:ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ファビアン・ヒンリヒス、ヨハンナ・ガストドロフ他

監督:マルク・ローテムント

原題:SOPHIE SCHOLL-DIE LETZTEN TAGE    2005年 ドイツ

反ナチスを叫んで処刑されたある女子学生の、逮捕から処刑までの僅かな日々をつづった作品。何故彼女は異例の速さで処刑されなければならなかったのか・・・・・

1943年。ヒトラーの独裁政権も一枚岩とは言えなくなっていた時期。国民の間にも、戦局不利の噂が飛び交い、戦争の早期終結を叫ぶ地下組織が現れる。彼らは『白バラ』と呼ばれ、打倒ヒトラーのビラをばら撒き、国民に結束を呼びかけていた。

そんな彼らが、危険な賭けにでた。余ったビラを、大学構内でばら撒くというのだ。話し合いの結果、ハンスとゾフィーのショル兄妹が決行することになった。
手分けして教室の入り口やらにビラを置き、最後に最上階から積み上げられていたビラを落とした瞬間、終業のベルが鳴り響き、多くの学生がなだれ込んできた。混乱に乗じて逃げようとした2人だったが、仕事熱心な用務員に見つかり、ゲシュタポに通報されてしまう。

最初は自分達の関与を否定していた二人だったが、自宅やアトリエなどから次々と証拠が見つかるうちに、自分達の運命を悟る2人。自らの信念を貫き通すことを決意する。


正しい正確な情報をワザと隠匿して情報操作するのは、国民や兵士の士気を昻めるためには誤った政策ではなかったのかもしれません。戦時下などでは、ある意味やむを得ない手段なのかもしれません。
でも、、、それではいったい真実はどこに??

その真実を皆に知らしめる為に活動していた『白バラ』のメンバー。彼らは、ぐらぐらの政府にとっては、とても脅威にうつっていたのでしょう。だからさっさと処刑して、世間の目に触れないようにしたのでしょうね。
公開裁判といっても、傍聴席はナチス関係者ばかり・・・・・でも、裁判が進むうちに傍聴席に座るナチス関係者の態度が目に見えて変わっていったのは、とても良かった。何も行動は起こさなかったけど、彼らにも血が通ってるのだな・・・と確認できるワンシーンだったと思います。だけど、あの人民法廷の裁判長っ!!あれは酷い。彼がその後どうなったのか、苦しみぬいてこの世を去っていったことを切に願うのみ。

第二次世界大戦近辺の歴史認識が私には足りません。授業で受けてたのかもしれませんが、こう・・・強烈に印象に残る『史実』も『真実』もなにも教えてもらえなかったような気が・・・
戦時中、男手を戦争に取られた家族が、食料確保にも大変だったというようなことは授業でも触れたように思いますが、上層部が何を考え、何を求め何を間違えたのか?は、深く突っ込んでなかったと思うのです。今では違うのでしょうか?

とにかく・・・・・『国民の為』の大義名分の下、流されるのは国民の血。大義名分を叫んでる奴らは、豊富な食料と安全の傘の下でのうのうと『作戦』を練っている。

なにより一番始末に置けないのが、一番上でも一番下でもなく、中間に居る人。判断を下すことは出来ず、上からの一方的な命令に絶対服従で行動している人たちです。彼らの残虐性は、酷いものがあります。責任もなんにも負わず、ただ単に相手を痛めつけるのみ。それで上層部に忠誠を示してるのかもしれませんが、あれじゃ動物ですよ。っていうか、そしたら動物に失礼かも。ありゃダメですね。

ゾフィーを演じた女優さん、『ベルリン、僕らの革命』の時は、なんでこの女優??ってくらい、印象が薄かったのですが、これは違います。彼女すごいです。

ゾフィーに心を揺すぶられつつも、自らを正すことも彼女を助けることも出来なかった担当取調官。アレクサンダー・ヘルトさんが演じてます。巧いです。

とにかく、最後の処刑の場面の音が耳に残って・・・・。斬首刑なんですね。考えてみれば絞首刑よりも苦しむ時間が極端に少なくて、処刑される側にとってはいいのかもしれません。だって、あっという間ですもん。

処刑直前の場面、ゾフィーがまぶしそうに太陽を見上げるシーンが、焼きついてます。

本屋さんでは公開にあわせてゾフィー・ショルの小特集みたいなコーナーを作ってる所がありますね。ちょっと読んでみよう。

公式HP--→ http://www.shirobaranoinori.com/

批判的な意見が多いため、続きを読む・・・にしちゃった。


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敏 悌次

私も観ました。拙ブログにも書きましたが「ヒトラーの12日間」とセットで観たいと思い出かけました。
>人民法廷の裁判長っ!!
彼はいつも敵役を強烈に演じていますね。
「ヒトラー・・・」では確か副総統のヘス役だったと思います。(違うかな?)
ギロチンの斧の下に目隠しも無しで、運ばれる時のゾフィーの気持ちを思うとナチの残虐さに憤りを感じます。

映画を観た後で「白バラ」に関する本も読みました。
ドイツに行く機会があったら、彼女の名を刻み、
ワグナーやゲーテも入っていると言う「殿堂」に行って見たいと思っています。
by 敏 悌次 (2006-03-30 15:28) 

まみりん

宝塚青年団さん、おはようございます。niceありがとうございます~
ヒトラー最期の・・・・とセット観はいいですね~。ゾフィーの担当取調官役の人も出てたと書いてありますが・・・あまり印象がないです。逆にあの裁判長は、顔と声が個性的ですから(笑)印象深いですね。

処刑時、目隠しナシだったんですよね。覚悟を決めて受け入れれるなんてすごいです。しかも若いのに。これからなのに。
私も早急に関連本をよんでみたいと思います。

ドイツ・・・今年の初夏頃が行きどきなんですが・・・チケットは取れなさそうだし、ホテルも取れなさそうですね。
ドイツをはじめヨーロッパ関係は、じっくりと時間をかけて巡りたいですよね~。ちゃんと歴史に関する予習をしっかりしてから、これが重要ですね。行く予定はないですが、予習はしとこうっと。
by まみりん (2006-03-31 06:52) 

>あの人民法廷の裁判長っ!!あれは酷い。
宝塚青年団さんも指摘してましたね。
でも実際の彼のヒステリック度は、もっと酷いです。
以前テレビで、ドイツ軍の青年将校(SSとは違ってエリート階級)が
1944年に起こした「ヒトラー暗殺未遂事件」の記録映像を
観たことがありますが、あんなに酷い裁判は見たことがありません。
彼はローランド・フライスラーという裁判官で、
終戦間近の1945年2月、裁判の開廷中に米軍による爆撃で死にました。
そしてその裁判の被告人は、なんと「暗殺未遂事件」の首謀者の側近。
「ざまぁ見やがれ!」って思っちゃけど、でもこういう人物こそ、
ちゃんとした裁判で弾劾されて欲しかったですね。
→ http://en.wikipedia.org/wiki/Roland_Freisler
by (2006-03-31 17:45) 

まみりん

おりょんさん、こんばんは~。nice&TBありがとうございます。
あれでも酷いって思ったのに、更に酷い人物だったんですか?あれは役上のオーバー気味の演技が入ってるのかと・・・ありゃりゃ・・・
でも、苦しみぬかずに爆撃で死亡ですかぁ・・・ほんと、ちゃんとした裁判に引きずり出してほしかったですね。
それにしても、似てますね~、あの俳優さんに(笑)
全文英語なので、読解はかなりきついですが(笑)がんばって読みます。
by まみりん (2006-03-31 23:48) 

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