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パリ、ジュテーム [映画[2007]]

出演:いろんな人。

監督:いろんな人。

原題:PARIS. JE T'AIME          2006年 フランス・ドイツ・リヒテンシュタイン・スイス

*くわしい出演者・監督についてはこちらの公式HPで---→ http://www.pjt-movie.jp/

『パリ』を舞台にしたアンソロジー作品です。
作品の主旨に賛同した18人の監督が、世界中から集まりました。それらの監督各々が思い描く『パリ』を、時間の流れの中からそっとすくい上げるように、ちょこっとずつ描いています。
それぞれ別々の作品ですが、極ビミョウに繋がってるのもあって、リアルな『パリ』を形作っているようです。

作品は・・・
  『モンマルトル』・・・駐車環境の劣悪なモンマルトル地区で、駐車スペース確保に燃える孤独な男に訪れる出会いの物語。
  『セーヌ河岸』・・・悪友と3人でナンパしていた若者が、それまで見向きもしなかったアラブ系の移民少女に惹かれてゆく物語。
  『マレ地区』・・・印刷所にイギリス人の客の通訳としてやってきた男が、下働きの青年(フランス語苦手)にモーションをかける物語。
  『チュイルリー』・・・地下鉄チュイルリーの駅でボーっとしていたアメリカ人旅行客が、地元のカップルに翻弄されまくる物語。
  『16区から遠く離れて』・・・パリ郊外に住む移民系の女性が、我が子を託児所に預けて16区のお宅にベビーシッターとして通勤する物語。
  『ショワジー門』・・・シャンプーの凄腕セールスマンが、チャイナタウンにあるマダム・リーの美容室にシャンプーを売り込む物語。
  『バスティーユ』・・・そろそろ妻と別れて愛人と暮らそうかと考えていた男が、妻に先制攻撃(違うか?)される物語。
  『ヴィクトワール広場』・・・幼い子供を失った悲しみにくれる母親が、こどもが好きだったカウボーイに導かれ、再生の道を見出す物語。
  『エッフェル塔』・・・エッフェル塔のそばに暮らすパントマイムをする孤独な男が、同じく孤独を抱える女性マイム・アーティストと運命的な出会いをする物語。
  『モンソー公園』・・・疎遠だった父娘が、小さなきっかけを元に、新しい関係に一歩踏み出そうとする物語。
  『デ・ザンファン・ルージュ地区』・・・映画の撮影の為にパリにやってきた女優が、ドラッグを所望して・・・という物語。
  『お祭り広場』・・・一目ぼれの相手をどうしても見つけることができなかった男性が、瀕死の重傷を負った時にやっとめぐり合える・・という物語。
  『ピガール』・・・パリ随一の歓楽街ピガールののぞき小屋にやってきた初老の男性と、彼と長年舞台で共演している女性の夫婦漫才?違うか。
  『マドレーヌ界隈』・・・深夜、バックパックを背負い道に迷う青年。彼はヴァンパイアが人を襲っている現場に出くわす。絶体絶命のピンチだったが、ヴァンパイアは彼に気づいたものの無視して去ろうとする・・・
  『ペール・ラシェーズ墓地』・・・結婚を間近に控えたカップルが、観光で有名人が多数眠るこの墓地へとやってきた。自由な考え方をする女性と、ジョークの一つもいえない男性。ささいなきっかけから喧嘩が始まるが、そこへある人が現れて・・・
  『フォブール・サン・ドニ』・・・盲目の男性と、女優志望の女性とのチャーミングなやりとり。
  『カルチェラタン』・・・離婚協議中の年配のカップルが過ごすカフェでのひと時。
  『14区』・・・デンヴァーで郵便配達人をしている女性が、長年夢だったパリへ一人旅でやってくる。美しい景色、おいしい食事。それを共にする相手がいないのが少し寂しいが、それでも彼女はパリにきて良かったと思う。


なんかとてもいい感じの作品です。

特に、『チュイルリー』(監督/ジョエル&イーサン・コーエン)ではクセモノ俳優スティーヴ・ブシェミが主人公のアメリカ人旅行客を飄々と演じていて、面白かった。駅でのちょっとしたやり取りというシチュエイションを、巧い間合いで演じていました。まぁ彼の場合、その顔だけでも面白味があるので、巧くて当たり前なんですけどね。ブシェミの持ってるガイドブックがこれまたいい小道具で(笑)。そんな表現載ってるかよ!って、突っ込みを入れたくなります。&、街角での注意事項も親切・適切すぎる。

『マレ地区』(監督/ガス・ヴァン・サント)には、今をときめく(?)ギャスパー・ウリエル君が出演してます。ハンニバルのような小奇麗なスタイルではないワイルドな一面を出してて、プラス『ゲイ』っぽさも出てて良かったです。

『ヴィクトワール広場』(監督/諏訪敦彦)では、ウィレム・デフォーのカウボーイ姿がこれまたかっこいいのなんのって!

『ペール・ラシェーズ墓地』(監督/ウェス・クレイヴン)では、最後の『14区』を監督したアレクサンダー・ペインが、オスカー・ワイルド役で出てます。すっごく素敵です!!

『フォブール・サン・ドニ』(監督/トム・ティクヴァ)では、ナタリー・ポートマンがキュートな女性を演じてて、プラス盲目の青年役のメルキオール・ベストンが、なんとも活動的な盲人を演じていて面白かったです。

最後の作品『14区』(監督/アレクサンダー・ペイン)。これはフランスにあこがれて2年間フランス語を習い、しっかり準備を整えて旅行にやってきた女性の視点で描かれてる作品です。主演してる女優さんはほんとうにフツーのおばさん的な方で(でもベテラン)、彼女のパリ旅行記作文をバックに物語が進んでゆくのですが、どこからともなく漂ってくる哀愁とか、旅行中にたまに感じる微妙な感情などがうまく隠し味になっていて、いいです。

どれもこれも、5分前後の短い作品です。しかも、各作品が綿密に繋がりあったりこんがらがったりしてるわけではないので、全体のまとまりとしてはどうかな?と思いますが、『パリ』で巻き起こる様々な人間模様をコンパクトにまとめてあって、よかったと思います。


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うつぼ

パリが舞台だからこその映画なんでしょうか。同じ話でも日本を舞台にしたら全くテイストが変わってしまいそうですね。(笑)
夏にパリに行こうかなあと思っているので観てみたいですねぇ。
by うつぼ (2007-05-12 09:19) 

うるる

うわ~~いいな~~ブシェミにウィレム。私はいったいいつ見れるのかしら?と思ったら、今公開中だった。しまった、出遅れた。でも、ミニシアターだからねえ、きっと行けなかったでしょう。DVDを待ちます。
そういえば、ブシェミなのに見そびれた(というか聞きそびれた)「シャーロット~」のドブネズミ、そろそろレンタル解禁ですね。借りてこなくっちゃ。
by うるる (2007-05-12 17:16) 

個人的には
10区「フォブール・サン・ドニ」が1番好きかな。
短編だからこそのテンポの良さ、見せ方が良かったです。
にしても、豪華監督陣に出演者達でしたね。
コーエン兄弟&ブシェミの1区「チェイルリー」だって、舞台はずうっと地下鉄の駅のホームなんだけど、やっぱりパリな雰囲気ですものね(^^)
最後のモナリザ乱舞もしてやったりかな。
5分弱の短編でもコレだけバラバラの作風の作品を18も見せられると逆に疲れますわ!(^^)
by (2007-05-13 01:08) 

まみりん

うつぼさん、こんばんは。niceありがとうございます。
パリという街が持つイメージというか印象があってこそ、ですよね。ほんとおっしゃるとおり、日本なんかが舞台になったら・・・泥臭くなってしまいそうです(笑)
夏にパリですかぁ??それは激しくうらやましいです~♪私はうつぼさんの面白い旅行記で満足せねばっ!!

うるるさん、こんばんは。
ふふふ・・ブシェミにウィレム、まさにうるるさん好みのクセモノさん達が好演してましたよ。題材柄DVDでも充分ですが、機会があったら大映しのブシェミを観に行ってください。
あぁ・・・最近1ヶ月くらいDVD返却してないんですよね。早く返さないと!!延滞料がかからないのはいいけど、ダラダラしてしまうから、ちょっと考えものです。

トチオさん、こんばんは。nice&TBありがとうございます。
10区、最初悲恋モノ?とか思ったらあの展開!ほんとテンポ良かったですね。ナタリーのキュートさは相変わらずでしたが(ちょっと『クローサー』でのシーンを彷彿とさせる場面があったような・・)、相手役のハイな盲人役が気に入りました。
とにかく、長かったですね(笑)

nyanさん、niceありがとうございます。
短編集の良さが光る作品です。デートにでもどうぞ~♪といっても、首都圏では終わってる???
お部屋でDVDでどうぞ~♪
by まみりん (2007-05-14 20:21) 

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